顎変形症
【読み方】がくへんけいしょう
顎変形症(がくへんけいしょう)とは、上あご(上顎骨)または下あご(下顎骨)あるいはその両方の大きさや形、位置などの異常によって、顔面の変形と、かみ合わせの異常を起こしている状態をいいます。
顎変形症の種類には、上顎後退症、上顎前突症、下顎後退症(小下顎症)、上下顎前突症、非対象性顎変形症、開咬症などがあり、二つ以上の変形が組み合わさることもあります。日本人の場合、もっとも多いのは下顎が前に突き出る下顎前突症です。
生まれつきの骨格に加え、成長過程での偏った姿勢や歯ぎしりなどの悪習慣も影響します。顎変形症がおこると見た目の問題だけではなく、歯の咬み合わせが不正になり、食べ物をかみ砕く咀嚼(そしゃく)機能や言葉の発音にも影響して生活に大きな支障を及ぼす場合があります。
治療が必要と判断されたときには、顎口腔機能診断施設の認可を受けた医療機関で、歯の矯正と顎骨の手術を受けると健康保険が適用されます。軽度のものは、外科手術を行わず、歯列矯正のみで改善されます。
歯列矯正は、術前矯正1~2年、手術、術後矯正1年、保定期間、と2~4年治療に要します。治療後、審美面の他、さまざまな慢性疾患が改善されたという例が多々見られます。
手術は術前矯正終了後、主に上下あご骨を切り、短縮、延長、回転などで正常にする。術後の入院期間は2週間程度です。