口蓋突起
【読み方】こうがいとっき
口蓋突起(こうがいとっき)とは、上顎骨のうち、鼻と口の間に位置する水平な板のような骨突起です。
口の中の天井部分である口蓋の硬い内側部分の上方底面にあたり、その前方は上顎歯列のアーチを形作っている歯槽突起の縁と接しています。
発症の原因は分かっておらず、非腫瘍性の良性骨増殖と考えられています。遺伝的要因、歯ぎしりや強い咬み合わせが歯を介して伝わる顎骨へのストレスによる骨増殖とも言われています。
症状
男性よりも女性に多く見られ、年齢的には 幼少期に認められることはほとんど無く、年をとるにつれて出現してきます。隆起が著明になってくるのは40歳以降といわれています。
口蓋隆起は 表面の粘膜が歯ブラシや食べ物で傷がつかないかぎり、痛みや感覚の異常を感じる事なく、少しずつ 大きくなっていきます。あまり大きくなると歯ブラシや硬い食べ物が当たると傷がついて痛むようになったり、 口内炎ができるようになったります。また、話したりするのに支障が出ることもあります。
自覚症状がないまま少しずつ大きくなるので、 歯科医院の受診時に偶然指摘されて気づく事が多いようです。
検査と診断
視診や触診でほとんど診断できますが、画像診断で確定します。
治療法
日常生活に支障がなければ特に何もする必要はありません。しばらくは経過を観察します。
隆起が大きくなり、義歯を作るうえで邪魔になる場合や、発音に障害が出る、歯磨きがしづらくなりむし歯や歯周病のリスクが高い場合などは、外科的に削除することを検討することがあります。手術は隆起が小さければ局所麻酔で行います。