上顎洞炎
【読み方】じょうがくどうえん
上顎洞炎とは、上顎の骨の上部で小鼻の両脇あたりに広がる空洞(上顎洞)付近に炎症がおき、膿が溜まった状態のことです。
上顎洞は、鼻の穴=鼻腔(びくう)とつながる副鼻腔の1つで、額の前頭洞、両目の間奥の蝶形骨洞、目頭上の篩骨洞(しこつどう)とともに、鼻腔からおくられてくる空気の連絡通路の働きをしています。それら副鼻腔の中で、最大の空洞が上顎洞です。
副鼻腔周辺におこった炎症はまとめて「副鼻腔炎」と呼ばれますが、そのうち上顎洞を中心におこったものを特に「上顎洞炎」と呼んでいます。
上顎洞炎を含む副鼻腔炎は、「蓄膿症」ともいいます。副鼻腔はどれも鼻腔とつながっているので、副鼻腔炎=蓄膿症がおこると、鼻がつまったり、鼻の奥に痛みや違和感があったり、膿混じりの鼻水がでたりするようになります。
副鼻腔炎のおこる原因となるのは、多くは鼻経由でおこる炎症なので、副鼻腔炎を治療するのは主に耳鼻科です。
しかし、上顎洞に関しては上顎の歯の根元と非常に近いため、上顎の歯に発生したう蝕や感染によって、上顎洞に膿が溜まってしまうことがあり、その場合を「歯性上顎洞炎」といい、歯科での治療が必要となります。